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続<評>
投稿者:
審査委員長
投稿日:2004年 7月28日(水)17時07分24秒
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■ 回文性文回
で、「べたべたおしめぬらしもうろくじいさんさんさいじくろうもしらぬめしおたべたべ」。分かりやすく書き換えてみると「ベタベタおしめ濡らしモウロクじいさん三才児苦労も知らぬ飯を食べ食べ」となる。「モウロクじいさん」が「ベタベタおしめ濡らし」ていて、「苦労も知らぬ」「三才児」が「飯を食べ食べ」しているのか。いや「ベタベタおしめ濡らし」いるのは「三才児」かも知れない。「苦労も知らぬ」のも「飯を食べ食べ」しているのも「モウロクじいさん」かも知れない。助詞が抜けているから、状況が分かりづらいのだろう。しかし、助詞が抜けてても分かることはある。回文ではないが「拭き拭き雑巾濡らし お掃除母さん三才児苦労も知らぬ飯を食べ食べ」だとしたら、誰が何をしているかが分かりやすい。ではなぜ、この句は 誰が何をしているかが分かりにくいのか。それは「モウロクじいさん」と「三才児」が似たような行動をとるからではないか。
人間は中年くらいまでは精神的に成長して行き、それを超すと幼児回帰の方向へ向かうと言われる。そう!考えてみたら、人間の人生は「回文」のようなものなのだ!ということはこの句は「人間の人生」における そんな「回文性」を盛り込んだ回文と言えるのではないか。いや、それだけではない、なにげに「飯を食べ食べ」と「ベタベタおしめ濡らし」にも「回文性」があるのだ。口から食事をして排せつ口(笑)から排せつする姿を反転すると、排せつ口(笑)から食事をして、口から排せつするように見えるだろう。つまりこの句は、余すとこなく世の中の「回文性」を盛り込んだ回文。スタイルと内容とがシンクロして強烈なエネルギーを生んでいるスーパー回文なのだ。圧巻だぁ。「苦労も知らぬ」にだけは対称的な言葉がないが、「作った時の大変な苦労」がここにあてはまるのかも…という深読みをしてみたり。ああ、すごいすごいすごい!すごいねぇ!!!
> 大円(仮名)…(by:マ No.2038)
この句、大きすぎて全体像を把握するには縦と横に伸びたスクロールバーを駆使しないといけない。携帯から見てる人は想像してほしい。画面の中に見えるのは規則性のある黒点の並びである。それらは弧のような軌道を作っていて、その両端ともが画面の外に向かっている。弧の片方の先端から伸びる黒点の軌道を追うようにスクロールバーを動かして行くと、上のピークに達すると下に向かい、右のピークに達すると左に向かうといった具合で緩やかな軌道は続いて行く。上下左右のピークをひととおり通ると、元の位置に戻る。…想像できただろうか。そう、黒点の並びで出来た軌道は大きな(少し楕円気味の)「円」を描いているのだ。数えてみたら全部で黒点は40個あった。僕のブラウザでは最初の画面では4個、多いところでも7個しか見れないので、単純計算すると、標準画面では全体の1/10〜1/5しか見れないということだ。全体の一部分しか見れないのに全体像は予想がつく。何故だろう。それは「黒点」が規則正しく繋がっているからではないか。昔読んだ哲学書に <家の前にいた人間が、壁づたいに家の後ろにまわった時、目の前にある家がさっきの家と同一の家であると認識することができるのは何故か> 的内容のものがあった。確かメルロ=ポンティ。でもうろ覚え。いや、言いたいのはですね、ヴィトゲンシュタインならまだしも、メルロ=ポンティを想起させるネオ自由律なんてすごいなと思って…。彼には確か、「認識は言語を介して行う」的持論があった気がするが、本来言語を使って詠まれる俳句を、この句はメタ言語(とで言うべきか)で詠んでいるのだが、それを言語を介して認識している自分。あ、その前にメタ言語で認識しているパソコンを…あああああああああああああああ!!!!!!!!(死)
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